ボディビル大会の種類は多様化しており、各団体によって審査基準やステージの雰囲気は様々。
本記事では「ボディビル大会に出場したい・観戦したい」方向けに日本で有名なボディビル大会5種類の特徴や違い、選び方を徹底解説します。
【一覧】ボディビル大会の種類
国内のボディビル大会はフィットネス・ボディビルの普及や発展を目的とする団体によって開催されます。各団体ごとにボディビル大会のカテゴリーや審査基準が異なります。
ここでは日本の有名なボディビル団体を5つ紹介していきます。団体によってはボディビル大会の参加資格が異なるため、自分の条件に合った団体を見つけてみてください。
- FWJ
- JBBF
- サマースタイルアワード
- ベストボディジャパン
- NABBA JAPAN
JBBF
日本で有名なボディビル大会はJBBFになります。JBBFはボディビルやフィットネス競技の普及や発展を目的として1955年に設立された、日本のボディビル団体で最も歴史が長く権威のある団体です。
JBBFが主催するボディビルコンテストの男性・女性別のカテゴリーは以下の通りです。
▼メンズ(男性)カテゴリー
メンズ(男性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
男子フィジーク | 逆三角形の背中や引き締まったウエスト、無駄な脂肪がない腹筋などが審査対象。 |
クラシックフィジーク | ウエストの細さや肩幅に加えて下半身も審査対象。ボディビルの次に筋肉量が必要なカテゴリー。 |
マスキュラーフィジーク | フィジークに出場するには筋肉量の多い方におすすめのカテゴリー。肩や背中など部分的に大きな部位も評価される。 |
男子ボディビル | 全身の筋肉量とバランス、ポージングなどが審査対象。 |
▼ウィメンズ(女性)カテゴリー
ウィメンズ(女性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
ボディフィットネス | 筋肉のセパレーションに加えて鮮明な皮膚感、ヘアスタイル、顔立ち、メイクなどのトータルでの美しさが評価基準。 |
フィットネスビキニ | 筋肉量はそれほど必要とされず、バランスの良い健康的な美しさやヘアスタイル、コスチュームなどが審査対象。 |
ウィメンズフィジーク | メンズのボディビルにあたるカテゴリー。筋肉量に加えて女性らしいしなやかさや美しさも評価対象。 |
JBBFが他団体と大きく違う点は以下の2点です。
- ドーピングに関する厳格な規則がある
- 許可がない営利目的の活動の制限
JBBFはドーピングの使用が禁止されてます。ドーピングに関する講習会や抜き打ち検査があり、JBBFで勝っている選手はナチュラルであるという箔が付きます。
「フィットネス業界の情報健全化」を建前に自身の実績を使った営利目的が禁止されています。そのためパーソナルでトレーニング方法やポージングを教えたり、セミナーを開くことができません。将来パーソナルトレーナーとして独立を目指す方はFWJの方が向いていると言えるでしょう。
競技色が強いJBBFですが、公益社団法人のため、ボディビル大会への参加費やチケットが安いというメリットもあります。
FWJ
FWJとは「Fitness World Japan」の略で、選手目線に立ったコンテストの企画・運営・競技選手のサポートなどをおこなう国内最大級のフィットネス団体です。
年々ボディビル大会の実施回数も増えており、2022年には16都市で25大会を実施しています。近年のフィットネス界に火付け役であるカネキン選手やエドワード加藤選手などが参加する東京プロを開催するなど、注目が集まるフィットネス団体です。
FWJが主催するボディビル大会の男性・女性別カテゴリーは以下の通りです。
▼メンズ(男性)カテゴリー
メンズ(男性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
メンズフィジーク | サーフパンツを着用。体全体の形やバランス、適度な筋量、パーソナリティー(個々の魅力)を評価 |
クラシックフィジーク | フィジークとボディビル両方の要素を持つ。フィジーク要素、アウトライン、腹筋に加え筋肉の大きさ、皮下脂肪の少なさ、筋肉の輪郭、筋肉の付き方のバランス、ポージング、トータルで審査。 |
ボディビル | ボディビルスーツを着用。体全体の形やバランス、適度な筋量を評価 |
▼ウィメンズ(女性)カテゴリー
ウィメンズ(女性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
ビキニ | ツーピース水着を着用。体のバランスと形、適度な筋量、総合的外観(肌色、ポーズ、表現力、笑顔、自信)、カリスマ性(能力 & 魅力)を評価。 |
ウィルネス | 大臀筋、大腿部に重きを置いた評価基準。 |
フィギュア | 女性らしい筋肉美を競う。ボディビルほどの筋肉は求められないが、全体的な身体のバランス、絞り具合を評価。 |
ウィメンズフィジーク | 大女性らしい筋肉美を表現するカテゴリー。女性らしいしなやかさやトータルパッケージとしてのバランスの良さを重視。 |
FWJはフィットネス先進国のアメリカへのチャレンジさせる環境が整っています。本場の本物の審査を受けられたり、国内のIFBBのプロカードをかけた大会で好成績を残すと世界最大級のボディビル大会ミスター・オリンピアへの出場が待っています。
FWJが主催するボディビル大会のスケジュールはFWJ公式サイトから確認してみてください。
サマースタイルアワード
サマースタイルアワードは2015年に金子賢氏によって企画された、夏が一番似合う男性・女性を決める大会になります。バラエティ溢れる様々なカテゴリーや年代別・身長別など自分に合ったカテゴリーに出場できる大会です。
サマースタイルアワードの大きな魅力は以下の通りです。
・ボディビル大会初心者におすすめ
・上位入賞で賞金獲得可能
「健康的なたくましさ・スタイルの良さ・かっこよさ」を重要視するため、サマースタイルアワードは他のボディビル大会ほど審査基準が厳しくありません。また、わかりずらいルールはなく、ボディビル大会に初めて参加する初心者にピッタリの大会です。
サマースタイルアワードの決勝で3位に入賞すると賞金が獲得できます。2023年12月10日に開催される「JAPAN PRO GRAND PRIX」の賞金を紹介します。
部門 | 賞金 |
スポーツモデル | 1位:100,000円 2位:50,000円 3位:10,000円 |
フィジーク・ビキニ・ビューティーフィットネスモデル | 1位:50,000円 2位:30,000円 3位:10,000円 |
クラシックススポーツ | 1位:50,000円 |
スポーツモデル(オーバーオール) | 500,000円 |
フィジーク(オーバーオール) | 200,000円 |
ビキニ(オーバーオール) | 300,000円 |
ビューティーフィットネスモデル(オーバーオール) | 200,000円 |
「JAPAN PRO GRAND PRIX」では賞金総額が200万円にのぼります。賞金が出る国内のボディビル大会は珍しいので、賞金獲得をモチベーションの1つにして参加してみましょう。
ベストボディジャパン
ベストボディ・ジャパンは一般社団法人ベストボディ・ジャパン協会が主催する、健康的な身体外見だけでなく内面も審査するボディコンテストです。
ベストボディ・ジャパンならではの特徴は以下の2点です。
・年齢別にクラスが分かれている
・参加資格が緩い
ベストボディ・ジャパンは男女それぞれ年齢別にクラス(階級)が分かれています。一般的なボディビル大会では身長・体重でクラスが分かれることが多いです。年齢別のクラス分けは世界初の試みになります。
ベストボディ・ジャパンに参加するには公式サイトのエントリーフォームから全身の写真やPR文などの提出が求められます。しかし、この1次審査は比較的通りやすくトレーニングを始めたばかりの方でも気軽に応募できます。
NABBA JAPAN
NABBAはNational Amateur Bodybuilders Associationの略で、全米アマチュアボディービルダー協会とも呼ばれています。主要大会で好成績を残すとプロとして認定され、毎年開催される「Universe Championships」にエントリーできます。
人気なボディコンテスト「NABBA JAPAN」は男性・女性別ともに筋肉量や身長によって様々なカテゴリーがあります。
▼メンズ(男性)カテゴリー
メンズ(男性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
ボディビル | 発達した筋肉の大きさが重要視される。皮下脂肪の少なさ、筋肉の輪郭やバランス、ポージングも審査対象。 |
クラシックモデル | バランスの取れた筋肉発達と自然な筋肉表現を主に評価 |
フィジーク | バルクや皮下脂肪の少なさと自然な舞台演出が重要視。ポージングも比較対象。 |
メンズスポーツモデル | 全体的な造形美を重要視。バランスのとれた筋肉の発達と皮下脂肪の少なさ、パーソナリティも含めた総合的外観、舞台演出を評価。 |
▼ウィメンズ(女性)カテゴリー
ウィメンズ(女性)カテゴリー | 特徴・審査基準 |
トンフィギュア | 女性のボディービルクラス。バランスのとれた筋肉の発達に加え、体脂肪率の少なさ、女性美を強調した舞台表現を評価。 |
ウィメンズスポーツモデル | 女性の健康美かつ発達した筋肉を審査。体形美と自然な舞台演出も審査対象。 |
ビキニモデル | 女性美を重要視。体形美と女性の美しさを維持した適度な筋肉の発達とセパレーション、華やかさなどの総合的外観と自然な舞台演出が審査対象。 |
ミスクラシックモデル | ウォーキングをメインに女性の体形美を重視。適度にシェイプした皮下脂肪の少なさ、下半身と背中の筋肉の発達程度、総合的外観を含めた舞台演出を評価。 |
NABBA JAPANのカテゴリーで特に人気なのは男子のスポーツモデルです。スポーツモデルカテゴリーでハイレベルを目指したい方に特におすすめな大会です。
ボディビル大会の種類【カテゴリー】
ここではボディビル大会の種類(カテゴリー)ごとの特徴や審査基準などを解説します。カテゴリーごとにおすすめの団体も紹介するので自分のカテゴリーを理解して出場する大会を選ぶ際の参考にしてください。
- メンズフィジーク
- クラシックフィジーク
- スポーツモデル
- ボディビル
メンズフィジーク
日本のフィジーク界で最も人気なのがメンズフィジークになります。メンズフィジークのコンセプトは「1番海が似合う男」で、逆三角形の体を目指します。
フィジークとボディビルの違いは筋肉量や身に付けるコスチュームなど明確な違いがあります。フィジークでは下半身が審査対象に入らないのが大きな特徴です。
メンズフィジーク部門がしっかり確立された団体はJBBFとFWJになります。しかし、これらの団体が主催するボディビル大会は他の団体と比較するとハイレベルなので初心者の方はサマースタイルアワードのフィジーク部門に挑戦するといいでしょう。
クラシックフィジーク
クラシックフィジークはメンズフィジークとボディビルの要素を合わせ持つカテゴリーです。トランクスを身に付けるため、下半身も審査対象となります。「X」のように上半身から腹筋にかけて絞れていき、下半身で広がるフォームが理想とされます。
身長別に階級(クラス)が分かれているのもクラシックフィジークの特徴です。しかし、階級ごとに体重制限が設けられています。クラシックフィジークを目指す選手におすすめの団体はJBBFとFWJになります。
スポーツモデル
スポーツモデルは脂肪が少ない程よい筋肉に加え、モデルらしいステージングなどが評価されるカテゴリーになります。フィジーク選手ほど筋肉量は必要なく、これからボディビル大会に出場する方にもピッタリです。
団体によってボクサーパンツやデニムをコスチュームとして身に付けます。スポーツモデルのコンセプトにピッタリな団体はサマースタイルアワードとNABBA JAPANになります。フィジーク部門に出るには筋肉量が足りない方にもピッタリです。
ボディビル
ボディビルは言わずと知れたボディビル大会の種類で有名なカテゴリーです。全身の筋肉が大きいほど評価され、全ての部門で最も筋肉量が必要になります。
体重別で階級が分けられるため、体重制限の中でいかにシルエットを大きく見せるかが重要です。特定の部位が突出して強くてはダメで全身の筋肉の強化が求められます。
紹介した団体の中でボディビル部門を設けているはJBBFとFWJだけです。ボディビルの大会へ挑戦、観戦したい方は要チェックの団体になります。
パーソナルトレーナーをつけてボディビル大会を目指そう
ここまで日本で有名なボディビル大会の種類についてカテゴリーや違いなどを解説してきました。解説した団体やカテゴリーをもとに出場、観戦するボディビル大会を選んでみてください。
各大会、カテゴリーごとに定めるコンセプトが異なるため、大会への出場を考えている方は自分の体の強みや骨格に合ったボディビル大会を見つかることが勝つためには必須です。
自分の筋肉について理解しているはずでもプロの目から見るとカテゴリーが合っていないことは多々あります。特に個人でトレーニングしていてどの団体のどの大会が合っているかわからない方は、プロのパーソナルを受けて助言をもらうのが確実でしょう。
ボディビル大会の種類に関するよくある質問
ボディビルに似た大会は?
ボディビルに似た大会としてフィジークが挙がることがあります。
しかし、ボディビルは全身の筋肉の大きさが評価されるのに対し、フィジークでは下半身は審査対象に入らないなど、ボディビル大会のカテゴリーごとにコンセプトは異なります。
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