「寝る前の筋トレは逆効果?」と疑問に感じている方は多いです。1日の中で日中は時間が取れないから夜筋トレをする場合があると思います。
筋トレは寝る前何時間前に行うかでメリットにもデメリットにもなり得ます。
本記事では、寝る前の筋トレによる影響や夜に筋トレする際の最強ルーティーンを筆者の実体験を下に解説していきます。また、筋トレに時間をかけられない人がサクッと行える筋トレ法も紹介しています。
筋トレは寝る直前に行うのはNG
筋トレを行うタイミングは、トレーニング効果に大きな影響を与えます。特に、寝る直前に筋トレを行うことは、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、寝る直前に筋トレを行うことによって引き起こされる問題点について、食事の時間、睡眠の質、そして疲労感の3つの観点から詳しく解説します。
食事の時間が確保できない
寝る直前に筋トレを行うと、筋トレしてから食事までの時間が確保できない可能性があります。筋トレ後は、全身に血液が回っていないため、消化吸収が悪くなります。
トレーニングによって筋肉が疲労し、血液は主に筋肉に集中するため、内臓の血流が減少し、消化機能が低下します。
筋トレ後から1時間程度の時間が必要となり、早急に食事を摂ると消化不良を起こす可能性があります。
寝る直前にトレーニングを行うことで、この重要な栄養補給のタイミングが失われ、筋肉の回復の遅れにつながります。これでは、栄養の摂取が不十分になり、筋肉の成長や修復が妨げられる恐れがあります。
- 筋肉の回復が遅れる
- エネルギー不足に陥る
- 筋肉量の増加が妨げられる
- 免疫力が低下する
- パフォーマンスの低下
筋トレは夕食後に行い、トレーニング後に軽めのスナックやプロテインシェイクを摂ることで、必要な栄養を補えます。理想的には、トレーニング後に1時間程度の時間を確保し、しっかりと栄養を摂取することが推奨されています。
睡眠の質が低下
筋トレを寝る直前に行うと、睡眠の質が低下します。運動によって体温が上昇し、心拍数が増加します。これにより、体がリラックスできず、深い睡眠を得ることが難しくなります。
体温が高い状態では、自然な睡眠サイクルが乱れ、特にレム睡眠が減少します。レム睡眠は脳の活動が活発で、記憶の整理やストレスの軽減に重要な役割を果たしています。
睡眠が浅くなると、成長ホルモンの分泌が減少し、筋肉の修復が遅れることにつながります。
例えば、23時に筋トレを行った場合、心拍数が高まり、体温が上がった状態で23時30分に就寝すると、寝入りが悪くなり、睡眠中の体温調節がうまくいかなくなります。この結果、睡眠の質が低下し、朝の目覚めがすっきりしないことが多くなります。
- 深い睡眠が得られず、疲労回復が不十分になる
- 成長ホルモンの分泌が減少し、筋肉の修復が遅れる
- レム睡眠が減少し、記憶の整理やストレス解消が不十分になる
- 翌日の集中力やパフォーマンスが低下する
理想的には、トレーニングは遅くとも就寝の2~3時間前までに終えるのが望ましいです。また、筋トレ後はリラックスした環境を作り、ストレッチや軽いマッサージを行うことで、心身を落ち着けると良いでしょう。
疲労感が抜けない
寝る直前に筋トレを行うと、体の疲労を回復させる時間が不足します。筋トレは体に大きな負荷をかけるため、疲労が蓄積します。
寝る直前に運動を行うと、トレーニング後のクールダウンや、サウナや湯船に浸かるなどのリカバリー時間が取れなくなります。これにより、身体が十分に回復できず、次の日に影響が出る可能性があります。
特に、仕事や日常生活での集中力や効率が低下し、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、夜の23時に筋トレをしてからそのまま寝ると、身体が疲労したまま就寝することになります。翌朝、身体が重く感じたり、頭がぼんやりして仕事に集中できないことが多くなります。
- 体の疲労が残り、翌日の活動に支障をきたす
- 集中力や効率が低下し、仕事や日常生活に悪影響を及ぼす
- 体調不良を引き起こす可能性がある
- トレーニング効果が減少し、モチベーションが下がる
疲労をしっかりと回復させるためには、トレーニングは夕食後に行い、就寝前には十分なリラックスタイムを持つことが大切です。
筋トレと超回復の関係性をよく理解して、毎回のトレーニングのパフォーマンスを保ちましょう。
筋トレを寝る前に行うメリット
寝る直前の筋トレはおすすめしないものの、筋トレを寝る3時間以上前に行うなら様々なメリットもあります。以下では習慣化や疲労感、睡眠の観点から筋トレを寝る前に行うメリットについて詳しく解説していきます。
習慣化しやすい
筋トレを寝る前に行うことで、運動を日常生活に取り入れやすくなります。夜の時間帯は、仕事やその他の用事が終わった後に筋トレを行う時間として最適です。
多くの人が忙しい日中に運動をすることが難しいため、寝る前に行うことで、習慣化を促進します。さらに、夜のルーティンとして筋トレを組み込むことで、心理的にも「運動の時間」として意識が強化されます。
例えば、仕事が終わった後に食事を済ませ、リラックスした状態で筋トレをすることで、気持ちを切り替えやすくなります。
毎晩寝る前に20〜30分のトレーニングをすることが習慣化されれば、運動不足を解消するだけでなく、自己管理能力の向上にも繋がります。
習慣化のポイントは、無理のない範囲で始めることです。最初は軽いストレッチや自重トレーニングからスタートし、徐々に負荷を上げていくと良いでしょう。
筋トレの後にリラックスできるルーティンを設けると、継続しやすくなります。
寝つきが良くなる
寝る前の筋トレは、睡眠の質を向上させる効果があります。運動をすることで、体温が一時的に上昇し、その後の急激な体温低下が眠気を誘います。
筋トレによって放出されるエンドルフィンやセロトニンは、リラックス効果を促進し、心地よい睡眠をサポートします。
例えば、軽めの筋トレを行った後にシャワーを浴びて体を冷やし、リラックスした状態で就寝することで、より良い睡眠を得られます。実際に、運動後のリラックスした時間を持つことで、心身ともに穏やかに寝る準備が整います。
ただし、寝る直前に激しいトレーニングを行うと、逆に心拍数が上昇し、寝つきが悪くなることもあるため、注意が必要です。
軽い筋トレやストレッチを取り入れた後は、十分なリラックスタイムを設けることが大切です。
日中に筋トレの疲労感がない
寝る前の筋トレは、日中の疲労感を軽減します。朝や昼にハードな筋トレを行うと、その後の仕事や勉強がしんどくなることが多いです。
運動後の疲労感が残ると、集中力やパフォーマンスに影響を与えることがあります。一方、寝る前に筋トレを行うことで、疲労感を軽減し、日中の活動をより快適に過ごすことができます。
例えば、夜の筋トレ後にリラックスしながら翌日の計画を立てることで、ポジティブな気持ちを保つことができ、仕事や学業に対するモチベーションが上がります。実際に、寝る前に運動を取り入れることで、日中のパフォーマンスが向上したと感じる人も多くいます。
- 夜の筋トレを習慣化することで、日中の疲労感を和らげるだけでなく、精神的なストレスの解消にも役立つ
- 日中のストレスを筋トレで発散することで、より良い気分で朝を迎えられる
寝る前の筋トレの最強ルーティーン【実体験】
ここでは実際に筆者が1年以上継続している、筋トレしてから寝るまでのルーティーンを紹介します。
筋トレ直後は胃腸に十分な血液が回っていないので、プロテインなどの液体から栄養補給することが重要です。また、筋トレ後で食欲が出ない方でも液体ならサクッと摂取できます。
プロテイン摂取後に湯船やサウナに入ると、全身の血行が良くなりその後の固形の食事の消化吸収を助けてくれます。さらに、筋肉を温めることで乳酸が貯まることなく翌日のトレーニングパフォーマンス向上にもつながります。
入浴が完了する頃には筋トレをしてから1時間ほと経過しているはずです。全身への血液循環が良くなったタイミングで固形の食事をすることで筋肉へ十分な栄養素を送ることが可能です。
しっかり筋肥大を狙うならタンパク質と糖質が十分に摂れるメニューを選ぶのがポイント!
このルーティーンを継続することで以下のような実感を得られます。
- 消化吸収が良くなり、筋肥大が最大化
- 筋トレの疲労を翌日に持ち込むことなく、毎回のトレーニングが追い込める
筋トレに時間が取れない人におすすめの筋トレ法
短時間で効率的に筋肉を鍛えるためには、筋トレ法を工夫することが重要です。特に、多関節トレーニングやドロップセットを組み合わせることで、時間を有効に使いながら筋力向上や筋肥大が可能です。それぞれのトレーニング法について詳しく説明します。
多関節トレーニング
多関節トレーニングは、複数の筋肉群を同時に鍛えることで、短時間でも効率的に全身の筋力を高められる筋トレ方法です。
多関節トレーニングは、1度の動作で複数の関節を使い、多くの筋肉を動員します。これにより、1つの筋トレで全身を効率よく鍛えられるため、時間が限られている人に最適な方法です。
多関節トレーニングは主に以下のようなメニューがあります。
トレーニング | 鍛えられる主な部位 |
---|---|
スクワット | 大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋、腹筋、背筋 |
デッドリフト | ハムストリングス、臀筋、背筋、僧帽筋、腹筋 |
ランジ | 大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋、ふくらはぎ |
ステップアップ | 大腿四頭筋、ハムストリングス、臀筋、ふくらはぎ |
プッシュアップ | 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋、腹筋 |
チンアップ | 広背筋、僧帽筋、上腕二頭筋、前腕筋 |
グッドモーニング | ハムストリングス、臀筋、脊柱起立筋、腰部 |
ベンチプレス | 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋、広背筋 |
オーバーヘッドプレス | 三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋、腹筋 |
ロウ | 広背筋、僧帽筋、菱形筋、上腕二頭筋、脊柱起立筋 |
多関節トレーニングは時間短縮のメリット以外にも筋トレの効果を加速させる様々な効果があります。
- カロリー消費が高く、脂肪燃焼効果がある
- 体幹の安定性を向上させる
- 筋肉同士の協調性を高める
多関節トレーニングは寝る前しか時間の取れない方以外にも筋トレの効果を早く実感したい方にもおすすめのトレーニング方法です。
ドロップセット
ドロップセットは、回数を数えずに限界まで行い、その後重量を減らしてさらに続けることで、筋肉を短時間で徹底的に追い込むことができる筋トレ法です。
ドロップセットは、1セットを限界まで行った後、すぐに重量を下げて同じ動作を続ける筋トレ方法です。これにより、筋肉を最大限に追い込むことができ、短時間でも筋肉に大きな刺激を与えられます。
この方法では、筋肥大が効率よく進むため、特に筋量を増やしたい人に効果的!
- 1セット目:10回前後行える重量を設定し、限界まで反復動作
- 2セット目:重量を20~30%減らし、インターバルなしですぐに限界まで行う
- 3セット目:さらに重量を20~30%減らし、再び限界までトレーニングを続ける
ドロップセットを行う際には、回数を数えずに限界まで行うことがポイントです。筋肉が疲労し限界に達したら、重量を減らしてさらに続けることで、筋肉に最大限の負荷を与えられます。