アーノルドクラシックは、ミスターオリンピアに並ぶ世界最大級のボディビルコンテストです。
2025年2月27日~3月2日、アメリカ合衆国オハイオ州コロンバスにて、アーノルドクラシック2025が開催されました。
この記事では、アーノルドクラシック2025の結果と講評をボディビル/クラシックフィジーク/メンズフィジークのカテゴリー別に解説していきます!
アーノルドクラシック2025の順位と講評
アーノルドクラシック2025では、ボディビルやクラシックフィジーク、メンズフィジークなどの各部門で素晴らしいパフォーマンスが見られました。
ここでは、部門ごとの順位と講評を解説します。
ボディビル
優勝:デレク・ランスフォード(Derek Lunsford)

準優勝:サムソン・ダウダ(Samson Dauda)

3位:アンドリュー・ジャックド(Andrew Jacked)

4位:ブランドン・カリー(Brandon Curry)

5位:ウィリアム・ボナック(William Bonac)

6位:アキム・ウィリアムズ(Akim Williams)

クラシックフィジーク
優勝:マイク・ソマーフェルド(Mike Sommerfeld)

準優勝:ローガン・フランクリン(Rogan Franklin)

3位:マシュー・グレゴー(Matthew Greggo)

4位:マイケル・ダブール(Michael Daboul)

5位:ウェスリー・ヴィザーズ(Wesley Vissers)

6位:방지훈(Ji Hoon Bang)

メンズフィジーク
優勝:アリ・ビラル(Ali Bilal)

準優勝:エリン・バンクス(Erin Banks)

3位:ディオゴ・モンテネグロ(Diogo Montenegro)

4位:エマニュエル・コスタ(Emmanuel Costa)

5位:アレサンドロ・カヴァーノラ(Alessandro Cavagnola)

6位:ジェイソン・ヒュン(Jason Huynh)

アーノルドクラシック2025の出場注目選手
以下、アーノルドクラシック2025に出場する注目選手をボディビル/クラシックフィジーク/メンズフィジークの3カテゴリー別で紹介していきます。
ボディビル
サムソン・ダウダ(Samson Dauda)

昨年のミスターオリンピア2024王者のサムソン・ダウダが優勝筆頭候補です。
現在コーチは妻が担当しており、これまで課題だった絞りを大きく改善できたことで昨年のオリンピアで世界一に輝きました。
オリンピア2024で世界一になったのにも関わらず、翌年のアーノルドクラシックに参戦するチャンピオンは近年稀と言えます。
アキム・ウィリアムズ(Akim Williams)

筆者がひそかに注目しているのが、オリンピア2020で6位に入賞しているアキム・ウィリアムズです。
内転筋と上腕二頭筋、大胸筋が他の選手より優れており、「ボディビルダーらしい体型」をしている選手の一人です。
細いウエストと上半身のインパクトの強さを強調するためにも、いかにコンディションを合わせられるかが勝負です。
クラシックフィジーク
ウェスリー・ヴィザーズ(Wesley Vissers)

ウェスリーは昨年のアーノルドクラシック2024のチャンピオンです。一昨年のチャンピオンであるラモンを破っての下剋上を果たしました。
オリンピア2024では思うような結果が残せなかったウェスリーですが、課題である下半身のサイズを改善してこれるかどうかが焦点となりそうです。
メンズフィジーク
アリ・ビラル(Ali Bilal)

ミスターオリンピア2024で準優勝したアリ・ビラルは今大会で最も優勝に近いフィジーク選手です。
現在のメンズフィジークのトレンドは、ライアン・テリーに代表されるようなセパレーションが明確なミッドセクションと上半身全体の高密度感が特徴です。
その点でアリ・ビラルはトレンドの通りのフィジークをしており、コンディションを外さなければ優勝はほぼほぼ堅いと思います。
エリン・バンクス(Erin Banks)

エリン・バンクスはオリンピア2022のチャンピオンです。
オリンピア2024が終わってから体の変化を自身のSNSに高頻度でアップしており、調子の良さが伺えます。
バックポーズは世界一と呼べるほどの完成度のため、最近少し目立つミッドセクションのコントロールとコンディションを合わせられるかが焦点となりそうです。
アーノルドクラシック2024の結果
昨年のアーノルドクラシック2024の結果を振り返っていきます。
ボディビル・クラシックフィジーク・メンズフィジークの各部門で解説していきます。
ボディビル
アーノルドクラシック2024オープンボディビルの順位と各選手の講評は以下の通りです。
1位 Hadi Choopan(ハディ・チョーパン)

アーノルドクラシック2024のオープンボディビル優勝は「ハディ・チョーパン」です。
予想通り2位のサムソンと一騎打ちでしたが、比較審査の段階から頭一つ抜けていました。
ボディビルに求められる2大要素の“バルク”と“絞り”を極めたような体をしており、上半身/下半身共にこの2点で世界トップです。
2位 Samson Dauda(サムソン・ダウダ)

2位は「サムソン・ダウダ」でした。
ハディと比べると上半身のバルクでは見劣りしないものの、大腿四頭筋の膨らみや臀部の印象が弱く見えました。
スタイルが非常に良い選手ですが、ウエスト細さが逆に腹部膨張の印象を与えてしまっているようでした。
3位 Rafael Brandao(ラファエル・ブランダオ)

3位は「ラファエル・ブランダオ」でした。
足のカットの深さではサムソンやハディに勝っており、オープンボディビル選手の中でもトップの下半身を持っていると思います。
腹部のコントロールも上手な選手ですが、上半身全体のバルクがもう2周りないとサムソンやハディの域には達し得ないと感じました。
4位 Jonathan De La Rosa(ジョナサン・デラロサ)

4位は「ジョナサン・デラロサ」です。
大腿四頭筋の張り出しが印象的で、フロントポーズのシルエットを美しくしていました。
一方で広背筋の広がりと脊柱起立筋のメリハリが上位選手と比べると、今後の課題になりそうです。
5位 James Hollingshead(ジェームス・ホーリングスヘッド)

5位は「ジェームス・ホーリングスヘッド」でした。
6位 Akim Williams(アキム・ウィリアムズ)

6位は「アキム・ウィリアムズ」でした。
クラシックフィジーク
アーノルドクラシックの花形とも言える、クラシックフィジークの順位は以下のようになりました。
各選手の講評もあわせて載せているのでぜひ楽しんでください。
1位 Wesley Vissers(ウェスリー・ヴィザーズ)

アーノルドクラシック2024のクラシックフィジーク部門で優勝したのは、「ウェスリー・ヴィザーズ」です。
2位のラモンと接戦でしたが、フロントポーズから見た二頭筋・広背筋・大腿四頭筋のカットが大きく上回っており、昨年のオリンピアからの改善が如実に表れていました。
今回は片手を腰に当てるポーズをとらなかったことで、両腕の二頭筋の盛り上がりとシルエットの美しさが際立っていました。
アーノルド・シュワルツェネッガー自身が優勝したウェスリーに対し、「黄金時代のボディビルダーだ」と言っていたのが印象的でした。シュワちゃんが活躍していたころのボディビルダーを彷彿とさせる古き良きパッケージを持っている選手です。
2位 ラモン・ロカ(Ramon Rocha)

昨年のチャンピオン「ラモン・ロカ」は今年のアーノルドクラシックでは2位でした。
優勝したウェスリーと非常に接戦でしたが、昨年のオリンピアのコンディションと比較すると若干絞りが甘かったように思いました。
特に足のカットが一部ぼやけて見えてしまい、ウェスリーと差がついた要因の一つになってしまったようです。
今回は負けてしまいましたが、ウエストの細さやミッドセクションの凹凸感など、オリンピアで優勝できる遺伝子を持っている数少ない選手だと思っているので、今年のオリンピア2025に期待です。
3位 Urs Kalecinski(ウルス・カレシンスキー)

アーノルドクラシック2024の3位は「ウルス・カレシンスキー」でした。
リアデルト・ハムストリングス・大腿四頭筋等、部分的にはウェスリーやラモンに勝っている点もありますが、トータルパッケージで一歩及ばずの展開が多いウルス。
特に腕全体の筋量がトップ2に比べると物足りなさが否めません。胴体が大きい分腕の細さが目立ってしまった結果になりました。
4位 Bleon Ansley(ブレオン・アンスリー)

アーノルドクラシック2024の4位は「ブレオン・アンスリー」となりました。
ブレオンのバックポーズはウェスリーやラモンと比較しても優れていると言わざるを得ない完成度でした。特に脊柱起立筋からリアデルトにかけての筋肉の密度がさすがでした。
ブレオンもウルス同様、部分的に見ればトップ2に勝る部位もあります。
しかし、ウエストの太さや大腿四頭筋のカットといったクラシックフィジークで特に重要視される部位で劣っているように見えました。
5位 Michael Daboul(マイケル・ダブール)

注目されていた「マイケル・ダブール」は5位で着地しました。
6位 Damien Patrick(ダミアン・パトリック)

クラシックフィジーク6位は「ダミアン・パトリック」でした。
メンズフィジーク
日本では注目度が高いメンズフィジーク。以下では、アーノルドクラシック2024の入賞者を深掘りしていきます。
1位 Diogo Montenegro(ディオゴ・モンテネグロ)

アーノルドクラシック2024のメンズフィジーク部門で優勝したのは、「ディオゴ・モンテネグロ」でした。
これまでオリンピア3位を2度受賞したことがある実力のある選手です。
最大の特徴は、メンズフィジーク選手の中でも特異な「細いウエストと広い肩幅からなる逆三角形」です。シルエットの美しさでその他の選手を圧倒していました。
フロント・バックポーズ共に優れており、ミスターオリンピア2025に期待していますが、肥大化が進んでいる腕が気になるところです。
2位 Vinicius Mateus(ヴィニシウス・マテウス)

2位は「ヴィニシウス・マテウス」でした。
バックポーズは全メンズフィジーク選手の中でトップと言っても過言ではない実力を持っています。
3位のヴィトー・チャベスと比べるとウエストの細さで若干劣っていましたが、腹筋から腹斜筋にかけての美しさでは他を寄せ付けませんでした。
3位 Vitor Chaves(ヴィトー・チャベス)

3位は「ヴィトー・チャベス」でした。
優勝したディオゴの骨格と似ており、細いウエストと広い肩幅が強みの選手です。(ポージングもそっくりです)
強みのフロントポーズと比較するとバックポーズがぼやけて見えてしまいました。特に脊柱起立筋から肩周りにかけての凹凸感が薄い印象を受けました。
今大会のメンズフィジーク1位~3位は全員ブラジル人選手でした。また、ボディビル/クラシックフィジーク/メンズフィジークの3カテゴリーで優勝者が全員アメリカ人ではない結果となりました。
4位 Kyron Holden(カイロン・ホールデン)

4位は「カイロン・ホールデン」でした。
丸丸とした大胸筋と美しいミッドセクションが強みですが、昨年エリン・バンクスを倒した時と比べると若干絞りが甘かったように思います。
フロントポーズと比べるとバックポーズの厚みが足りないと感じたので、フロントに負けない背中を作ってほしいです。
5位 Corey Morris(コーリー・モリス)

5位は「コーリー・モリス」でした。
6位 Emanual Hunter(エマニュアル・ハンター)

6位は「エマニュアル・ハンター」でした。