「筋トレ前の食事は何時間前に済ませるべき?」と悩んでいる人は多いです。
筋トレ前の食事はトレーニング中のエネルギーに、筋トレ後の食事はトレーニング後のリカバリーに欠かせません。特に筋トレ前の食事を摂らないと筋トレのパフォーマンスが下がり、効果が半減します。
本記事では、筋トレ前の食事の最適な時間や筋トレ前の食事におけるポイントを詳しく解説していきます。また、筋トレ前に食事の時間がない方でもサクッと栄養補給できるおすすめ食材も紹介します。
筋トレは食後2~3時間が最適な理由
筋トレと食事のタイミングは、パフォーマンス向上や筋肉の発達に大きな影響を与えます。特に食後の時間は、血糖値や消化活動に密接に関係しており、適切な時間を選ぶことで、効果的なトレーニングが可能です。
ここでは、筋トレを食後2~3時間に行うべき理由として、血糖値や消化時間との関連性について詳しく解説します。
筋トレと血糖値の関係性
筋トレなどの高強度の運動では、主にグルコース(血糖)がエネルギー源になります。そのため、筋トレ前に食事を摂って血液中の血糖値を上げておく必要があります。
筋トレ前に何も食べないと低血糖でトレーニングすることになり、トレーニングパフォーマンスが低下するだけでなくめまいの原因にもなります。
- 血糖値が低いと、筋肉を分解してエネルギーを確保しようとする「カタボリック状態」になる
筋トレ前の食事に限らず、多くのトレーニーが1日に5食ほど食べるのは血糖値が低い状態を作らないためでもあります。筋トレを食後に行う際は、筋トレのガソリンでもあるグルコース(ブドウ糖)を摂取して血糖値を上げる必要があります。
ボディビルダーが筋トレ前の和菓子を積極的に食べるのも糖質補給のため!
筋トレを食後に行う際に糖質を多く補給できるおすすめ食材▼は以下で紹介しています。
筋トレと消化時間の関係性
筋トレを食後2~3時間後に行う理由として、食事での栄養素が消化するまでの時間を表しています。
消化が完了していない状態で筋トレを始めてしまうと、消化不良やトレーニングパフォーマンスの低下につながります。
- 胃腸への負担が増え、消化が正常に進まない。腹部の不快感や吐き気の原因に。
- 本来、筋肉に使われるはずの血液が胃腸に流れる。筋肉に必要な酸素や栄養素が不足し、トレーニングの効果が低減
前述した通り、筋トレ開始時にはエネルギー源であるグルコース(糖質)が体内に十分ある状態が理想です。筋トレ前の食事でのパンやご飯などの炭水化物が糖質に消化されるまでに2~3時間かかると言われています。
脂肪やタンパク質を多く含む食事は消化に時間がかかるため、食後から筋トレまでより長い時間が必要です。炭水化物に加えてプロテインなど液体からタンパク質を摂取すると消化が早くおすすめです。
食事なしでの筋トレはおすすめしない
筋トレは筋肉を成長させるための大切な手段ですが、適切な食事を取らないまま行うと、筋肉の成長を妨げるどころか逆効果になることがあります。
以下では筋トレ前に食事を摂らないリスクについて詳しく解説していきます。
筋肉の分解が促進する
食事を取らずに筋トレを行うと、体はエネルギー不足を補うために筋肉のアミノ酸を分解してしまい、筋肉量が減少します。
筋トレを行うと、まずは体内のエネルギー源であるグリコーゲンが使われ、その後脂肪が燃焼されます。しかし、これらが不足していると、体は筋肉内のアミノ酸をエネルギーとして分解し始めます。
グリコーゲン(糖質)→脂質→アミノ酸
筋トレ前に食事を抜くと、グリコーゲンや脂質が足りておらず、アミノ酸消費が激しくなります。よって筋肉量が減少し、トレーニング効果の低下につながります。
特に筋トレでダイエットしたい方は筋分解が進むと代謝が落ちて痩せづらい体になってしまう。
筋分解が進むと、筋肉の修復に必要な栄養素が不足し、筋肉の回復が遅れてしまいます。次のトレーニングに支障が出ないように筋トレ前には炭水化物やタンパク質の補給が欠かせません。
筋合成がされず筋肥大しない
食事を取らない状態で筋トレを行うと、筋合成が進まず、筋肥大が期待できません。筋トレを開始した瞬間から筋肉の分解は進みます。
筋肉を使うと筋繊維が微細に損傷します。その後、食事からのタンパク質やアミノ酸が体内に吸収されることで、インスリンなどのホルモンが分泌され、筋肉に栄養が送られます。
以下のような流れで筋肉は強く大きくなります。
- 筋トレで筋肉が使われる
- 筋繊維が微細に損傷(筋肉が壊れる)
- タンパク質やアミノ酸の摂取による栄養補給
- インスリンが分泌され、栄養が筋肉に届けられる
- 筋繊維が修復・成長(筋肉が修復され、筋肥大)
筋合成を最大化させるためには、筋トレ前の食事はもちろん、筋トレ後の栄養補給も欠かせません。
トレーニングの集中力・持久力が低下
食事を取らずに筋トレを行うと、エネルギー不足により集中力や持久力が低下し、トレーニングの質が落ちます。
特に筋トレは集中力と持久力を求められるため、エネルギーが足りないと正しいフォームを維持することが難しくなり、ケガの誘発にもつながります。
トレーニングパフォーマンスが低下すると、以下のような影響が生じてしまいます。
- 持ち上げられる重量が減少する
- セット数や回数が減る
- インターバルが長くなりトレーニング効率が低下
筋トレを食後に行った際に比べて、扱える重量や回数、セット数が減少することで同じメニューを行ったとしても筋肥大効率が低下してしまいます。
筋トレ中の集中力や持久力を保つには筋トレ前の炭水化物の摂取が一番重要です。
筋トレ前に時間が取れない場合でも、空腹で筋トレを行わないように徹底しましょう。消化の良い補食▼なら手軽で素早くエネルギー補給ができるのでおすすめです。
筋トレを食後に行う際のポイント・注意点
食後に筋トレを行う際は、体が十分なエネルギーを使える状態を保つことが大切です。消化の負担を減らしながら、効率的に筋トレを行うためのポイントと注意点を押さえましょう。
糖質を十分に摂取する
筋トレ前に十分な糖質を摂取することで、エネルギー不足を防ぎ、パフォーマンスを高められます。
糖質は体内でグリコーゲンとして蓄えられ、筋トレ中に速やかにエネルギーとして利用されます。筋トレでは糖質はガソリンのようなものです。
糖質が不足していると、エネルギー源が枯渇し、筋肉のパフォーマンスが低下します。
例えば、体重70kgの人であれば、35g~70gの糖質を摂取することが推奨されます。
【おすすめの糖質を摂取できる食べ物】
- バナナ1本(中サイズ:約120g):糖質約27g
- 白米(100g):糖質約37g
筋トレ前にバナナや白米を食べると、体内で素早く消化されてグリコーゲンが補充されます。糖質を摂取するタイミングも重要で、食後すぐに筋トレを行うのではなく、少し時間を空けると消化が進み、より効果的です。
消化が遅い食事は避ける
筋トレ前に消化が遅い食事を摂取すると、筋トレ開始時までに消化が間に合わない可能性があります。また、筋肉に必要なエネルギーが奪われ、トレーニングパフォーマンスが低下にもつながります。
- 高脂肪や高繊維の食事は消化に時間がかかり、胃腸に負担をかける
- 消化が間に合わず、体はトレーニングに必要なエネルギーを十分に使えないため、筋トレのパフォーマンスが低下
以下のような揚げ物や脂っこい食事を筋トレ前に摂取すると、消化に時間がかかり、トレーニング中に胃もたれや腹痛を引き起こす可能性があります。
食事メニュー | 主な成分 | 消化時間の目安 |
---|---|---|
揚げ物 | 高脂質 | 約4~6時間 |
アボカド | 高脂質 | 約3~4時間 |
玄米 | 高繊維 | 約2.5~3時間 |
全粒粉パスタ | 高繊維 | 約2.5~3時間 |
牛ステーキ(脂身あり) | 高脂質・タンパク質 | 約4~5時間 |
ピザ | 高脂質・高カロリー | 約4~6時間 |
筋トレを食後にする場合は、脂質の少ない食事を選び、消化をスムーズにすることで筋トレに集中できます。
満腹まで食べない
筋トレ前に満腹になるまで食べることは、消化器官に負担をかけ、トレーニングの効率を下げるので避けるべきです。
満腹状態で筋トレを行うと、消化に多くのエネルギーや血流が使われ、筋肉に十分なエネルギーと血流が届かなくなります。その結果、運動中に気分が悪くなったり、筋トレのパフォーマンスが著しく低下します。
集中力も維持しにくくなるため、トレーニングの効率が悪くなり、目指している成果を得にくくなるリスクが高まる。
筋トレ前の食事は、腹八分目に抑え、消化に負担をかけずにトレーニングできるようにすることが理想的です。
筋トレを食後に行う時のおすすめ食材
筋トレを食後に行う際の最適な食材は食事から筋トレまでの時間によって変わります。以下では、筋トレ前に十分時間が取れる方と時間が取れない方に分けてベストな食事例を紹介していきます。
筋トレ2~3時間前
食事から筋トレまでの時間が2~3時間取れる方は固形物から糖質とタンパク質をしっかり摂れるメニューを選ぶことが大事です。
固形の食事を選ぶことで吸収がゆっくり進み、持続的なトレーニングが可能になります。以下は糖質とタンパク質をしっかり摂取できる筋トレ前におすすめな食材例です。
糖質の食材例 | タンパク質の食材例 | 摂取のポイント |
---|---|---|
玄米 | 鶏胸肉 | 複合炭水化物と脂肪が少ないタンパク質で長時間のエネルギー供給 |
オートミール | サバ | 繊維質が豊富で持続的にエネルギーを提供し、良質なタンパク質も摂取可能 |
全粒粉パン | 豆腐 | 消化が比較的遅く、トレーニング中に安定したエネルギー供給 |
サツマイモ | ギリシャヨーグルト | 消化がゆっくりで、筋トレ中にエネルギーが持続する |
キヌア | 卵 | 良質な炭水化物とタンパク質のバランスが優れている |
上記の食材は、筋トレ中のトレーニングパフォーマンスを維持するのに最適で、筋トレの2~3時間前の食事に適しています。
筋トレ30分~1時間前
筋トレ前に食事の時間を確保できない方は消化が早い炭水化物やタンパク質源を摂るようにしましょう。
この時間帯に消化の重い食事、特に脂質や食物繊維が多い食材を摂ると、胃に負担がかかり、トレーニング中に胃もたれや不快感を引き起こす可能性があります。
以下は30分~1時間程度で消化が完了する筋トレ前の食事例を紹介します。
糖質の食材例 | タンパク質の食材例 | 消化時間(個別) |
---|---|---|
コーラ | EAA(必須アミノ酸サプリメント) | コーラ:約30分 / EAA:30分で吸収 |
バナナ | ホエイプロテイン(WPI) | バナナ:約30~60分 / ホエイプロテイン(WPI):約30~60分 |
ラムネ | ラムネ:約30分 / |
消化の早い糖質源に加えて、プロテインやEAAなどの液体からタンパク質を摂取すると良い!
また、バナナにプロテインパウダーを入れてミキサーにかけて液体状にすることで筋トレ前に早急な栄養補給が可能になります。