「筋トレってカロリーをどのくらい消費するの?」と気になっている方が多いです。
特に筋トレでダイエット・減量したい方は1日のトータルカロリーを計算する上で、筋トレの消費カロリーが必要となってきますよね。
筋トレのカロリー計算ができれば、強度や頻度などのトレーニング計画が正確に行えるようになります。
本記事では、筋トレの消費カロリーの計算方法やメニューごとの消費カロリー表などを紹介していきます。また、筋トレで消費カロリーをアップさせる秘訣も解説していくので、効率的に筋トレを進めていきたい方はぜひ最後までご覧ください。
筋トレの消費カロリーの計算のやり方
筋トレの消費カロリーは「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」で計算可能です。
メッツ(METs)は安静時の消費エネルギーを基準にし、運動強度ごとに定められます。メッツが分かれば運動活動時間に体重と定数をかけることで筋トレの消費カロリーが計算されます。
国立健康・栄養研究所があらゆる運動におけるメッツを表にまとめています。メッツは以下のような運動の労力の種類で大きく変わります。
- 楽な労力
- ほどほどの労力
- きつい労力
- 非常にきつい労力
例えば、同じ腕立てでもほどほどの労力で行う場合とスピーディーで行うきつい労力で行う場合のメッツは2倍以上の違いがあります。
それに伴い、筋トレの消費カロリーも大きく異なってくるためメッツの見極めでは以下の点に気をつける必要があります。
- 運動強度を過大に見積もらない。
- メッツの数値は筋トレの動作が正しくできていることが前提
フォームを誤ると本来の消費カロリーを下回る可能性があるので、正しいフォームを習得することが大事になってきます。
筋トレの消費カロリーを種目ごとに計算してみた
筋トレでどのくらいのカロリーを消費するのかを知ることで、効果的なトレーニング計画を立てやすくなります。ここでは、種目ごとに消費カロリーを計算し、具体的な運動がどのようにエネルギーを使うかを見ていきます。
スクワット
スクワットのメッツは5.0で、芝刈りや階段の昇降と同じくらいの運動強度です。
実施時間は2分(= 0.033時間)、体重が60kgの場合、筋トレの消費カロリーの式「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」に代入すると、消費カロリーは以下のように求まります。
以下には40kg~80kgまでのスクワットの消費カロリーを表にまとめています。
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
消費 カロリー | 7.0kcal | 8.75kcal | 10.5kcal | 12.25kcal | 14.0kcal |
腕立て伏せ
腕立て伏せを一般的な動作でほどほどの労力で行う時のメッツは3.8で、ドラムの演奏やボーリングなどと同等です。
早いスピードで行なったり、プッシュアップバーやウェイトベストなどの器具を活用して大きな負荷をかけた状態(きつい労力)でのメッツは8で、テニスやアメフトに匹敵します。
例えば、実施時間は2分(= 0.033時間)、体重が60kgの場合、筋トレの消費カロリーの式「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」に代入すると、消費カロリーは以下のように求まります。
以下には40kg~80kgまでの腕立て伏せの消費カロリーを表にまとめています。
労力 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
ほどほどの 労力 | 5.32kcal | 6.65kcal | 7.98kcal | 9.31kcal | 10.64kcal |
きつい 労力 | 11.2kcal | 14.0kcal | 16.8kcal | 19.6kcal | 22.4kcal |
腹筋運動
仰向けで膝を曲げた状態から肩甲骨が床から浮く程度に上体を持ち上げる一般的な腹筋運動をゆっくり行う時のメッツは2.8で、ストレッチやヨガと同じくらいの運動強度です。
遅すぎず、速過ぎずの普通のペース(ほどほどの労力)で行う際のメッツは3.8で、拭き掃除や体操と同じ強度になります。
高速で行なったりウェイトプレートを使用した場合はメッツが8.0と、バスケやバレーボールほどの強度です。
例えば、実施時間は2分(= 0.033時間)、体重が60kgの場合、筋トレの消費カロリーの式「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」に代入すると、消費カロリーは以下のように求まります。
以下は体重が40~80kgまでの腹筋運動の消費エネルギーに関する表です。
労力 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
楽な労力 | 3.92kcal | 4.90kcal | 5.88kcal | 6.86kcal | 7.84kcal |
ほどほどの労力 | 5.32kcal | 6.65kcal | 7.98kcal | 9.31kcal | 10.64kcal |
きつい 労力 | 11.2kcal | 14.0kcal | 16.8kcal | 19.6kcal | 22.4kcal |
フリーウェイト、マシーンの使用
ダンベルやバーベルなどを使用したフリーウェイトやマシンを使用した筋トレのメッツは6.0です。バーベルを使用したスクワットやベンチプレス、デットリフトなどがあり、運動強度はボート漕ぎやテニスと同等になります。
実施時間は2分(= 0.033時間)、体重が60kgの場合、筋トレの消費カロリーの式「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」に代入すると、消費カロリーは以下のように求まります。
以下は体重が40~80kgまでのフリーウェイト、マシーンの使用時の消費エネルギーに関する表です。
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
消費 カロリー | 8.4kcal | 10.5kcal | 12.46kcal | 14.7kcal | 16.8kcal |
より具体的に、マシンとフリーウェイトを使用して大胸筋筋トレを1時間行った時の消費カロリーを考えます。1時間で1種目4セットを3種目行うと考え、セット間のインターバルは3分と仮定します。
1セット行う時間は30秒ほどなので、1時間の実際の継続時間は6分となります。以上の条件を筋トレの消費カロリーの式に代入すると以下のように求まります。
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg |
---|---|---|---|---|---|
消費 カロリー | 25.2kcal | 31.5kcal | 37.38kcal | 44.1kcal | 50.4kcal |
仮に同じ筋トレメニューを30分行う場合のカロリーは上記の表の半分となります。思ったより、筋トレの消費カロリーは少ないことがわかります。
高強度なウェイト・トレーニングを行った場合でも、のんびりとプールで泳ぐのと同程度の消費カロリーしかありません。
そのため、筋トレで短期間で痩せることはできません。消費カロリーを上げて、効率的にダイエットするには以下で紹介する方法を実践することがポイントです。
筋トレの消費カロリーを増やすテクニック
筋トレで消費カロリーを増やすためには、効果的なトレーニング方法を取り入れたり筋肉量を増やすことが重要です。
以下では、筋トレで消費カロリーを効率的に増やす3つのテクニックを解説します。これらのテクニックを実践することで、体脂肪の減少と筋肉量の増加を同時に達成し長期的に見てリバウンドしずらい体を目指せます。
筋トレに有酸素運動を追加する
筋トレに有酸素運動を追加すると、全体の消費カロリーを大幅に増やせます。
筋トレ自体は主に筋肉を増やすための運動ですが、持続的なカロリー消費には限界があります。有酸素運動を組み合わせることで、心拍数が上がり、エネルギー消費が高まります。
そのため、軽いジョギングや傾斜を付けたランニングマシンでの歩行がおすすめです。軽いジョギングを30分行なった際の消費エネルギーは以下の表の通りです。
体重 (kg) | 消費カロリー (kcal) | 食べ物に例えると |
---|---|---|
40 | 147 | おにぎり1個 |
50 | 183.8 | チョコレートバー1本 |
60 | 220.5 | バナナ2本 |
70 | 257.2 | カップ麺1個 |
80 | 294 | シュークリーム1個 |
また、筋肉量を減らさずに脂肪だけを燃やすには心拍数や有酸素運動の継続時間が重要なカギとなります。
ランニングマシンの傾斜を活用すると心拍数を調節しやすいのでおすすめです。長すぎる有酸素運動は筋分解につながるので30分程度にとどめて毎日行うことが大切です。
筋肉量を増やす
1回の筋トレで消費できるエネルギーは少ないものの、筋肉量を増やすトレーニングは長期的に見てダイエット効果が大きいです。筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり、運動していないときでも消費カロリーが増えます。
筋肉は代謝の高い組織であり、筋肉量が増えると身体はより多くのエネルギーを消費するようになります。
筋トレ後の「アフターバーン効果」により、トレーニング後も最大48時間エネルギー消費が持続します。
▼筋トレのアフターバーン効果とは
アフターバーン効果(EPOC)は、筋トレや高強度の運動後に、代謝が上がり続けて通常よりも多くのカロリーを消費する現象です。
運動によるエネルギー消耗の回復や筋肉修復のために、運動後も数時間から最大48時間程度エネルギーが使われます。特に高強度インターバルトレーニング(HIIT)や重量を使った筋トレで発生しやすいです。
筋肉量が増える強度でのトレーニングを週3回行うことでアフターバーン効果を最大限活用できます。
月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 | 日曜 |
青→オフ
筋肉量の増加には時間がかかるため、継続的なトレーニングが重要です。特に足や大胸筋など大きな筋肉をターゲットにしたトレーニングを行うと、消費カロリーがさらに高まります。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)の導入
高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、短時間で非常に強度の高い運動と休息や軽い運動を交互に行う筋トレ方法です。
HIITは短い時間で多くのカロリーを消費し、その後もアフターバーン効果により運動後もカロリーを消費し続けるため、効率的な脂肪燃焼や筋力強化が期待できます。
- 短時間で高いカロリー消費
- アフターバーン効果により運動後も代謝が持続
- 高強度運動で効率的な脂肪燃焼
HIITでは、20秒間の全力スプリントを行い、その後10秒間の休息を8セット繰り返す「タバタ式」が代表的です。
このようなトレーニングを1回行うだけで、約200~300キロカロリーを消費することができ、通常の有酸素運動よりも効率よくカロリーを燃やせます。
ただし、体力に自信がない場合や筋トレ初心者には無理をしないよう、徐々に強度を上げていくことが大切です。
筋トレでカロリーを気にする方は食事にも気を配ろう
筋トレや有酸素運動で消費カロリーを増やすことは減量の一環ですが、それだけでは不十分です。摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうと、減量効果は得られません。
筋トレと並行して、食事の管理が減量成功のカギとなります。筋トレや有酸素運動をしてカロリーを消費しても、摂取カロリーが多ければ体脂肪は減りません。
筋トレでの消費カロリー以上に食べてしまうと、余剰分が脂肪として蓄積されるため、体重が増えることがあります。
食事でカロリーをコントロールするテクニックは多くありますが、特に初心者でも継続しやすくダイエット効果が大きいポイントを以下にまとめました。
【ダイエット効果の大きいポイント】
- PFCバランスを意識する
- 脂質の質にこだわる
- 食物繊維を増やす
減量時の食事を意識する上で、まずPFCバランスの適正化が重要です。特にタンパク質をしっかり摂りながら脂肪燃焼を促します。
▼PFCバランスの適正化とは?
PFCバランスの適正化とは、タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の3つの栄養素を適切な割合で摂取することです。
このバランスを整えることで、エネルギー効率が良くなり、体脂肪の燃焼や筋肉の維持がしやすくなります。特に、タンパク質を多めに摂取し、脂質は抑え、炭水化物は必要に応じて調整することが、健康的な減量に効果的です。
次に脂質の量を減らすことで、体脂肪の蓄積を抑え、調理法や食材選びを工夫して摂取を抑制します。
筋トレの成果は食事で決まると言っても過言ではありません。まずは、簡単なことから筋トレのための食事に気を配ってみましょう。
筋トレとカロリーに関するまとめ
ここまで筋トレのカロリー計算のやり方や筋トレメニューの具体的な消費カロリーなどを解説してきました。筋トレでの消費カロリーは「メッツ × 実施時間(h) × 体重 × 1.05」という式で求まります。
具体的に腕立て伏せを行う場合は以下の式になります。
また労力の種類が異なると、メッツの値が変わるため、筋トレの消費カロリーも大きく異なります。腕立てをほどほどの労力で行う時はメッツが3.8、きつい労力で行う時は8.0になります。
従って、筋トレの消費カロリーは運動の強度や継続時間によって大きく変化することがわかります。
しかしながら、高重量で筋トレを実施しても消費カロリーはプールでゆったり泳ぐ程度にしかなりません。さらに長時間のハードトレーニングは身体的にも困難です。
効率よくダイエットしたい方は筋トレに有酸素運動を組み合わせるのが効果的です。
ダイエットにおいて筋トレと有酸素運動の役割は異なります。
筋トレ後は「アフターバーン効果」と呼ばれる消費カロリーが増える現状が起こるため、有酸素運動との組み合わせで消費カロリーを効率的に増やせます。
短時間で筋トレの消費カロリーを稼ぎたい方は、高強度インターバルトレーニング(HIIT)▲を取り入れるのもおすすめです。
普段の筋トレに加えて、栄養バランスを意識した食事を摂ることも忘れずに継続していきましょう。
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