2024年5月18日-19日にかけて「ニューヨークプロ(NY PRO)」が開催されました。ミスターオリンピア、アーノルドクラシックに次いで世界で3番目に大きい大会ということもあり、世界中から注目度が高いコンテストとなりました。
この記事では「オープンボディビル」「クラシックフィジーク」「メンズフィジーク」の3カテゴリーの結果と上位選手の講評をしていきます。
ジャパンプロ2024の結果もこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください!
ニューヨークプロ2024結果【オープンボディビル】
ここからはオープンボディビルの結果と講評を解説していきます。
前週に開催されたピッツバーグプロ2024でゲストポーズに呼ばれていた「ニックウォーカー」。コンディションと腹部のコントロールができていない点を指摘されていましたが、見事1週間で改善して優勝を果たしました。
優勝:Nick Walker (United States)
優勝はアメリカ出身の若手ホープ、「Nick Walker」でした。
ピッツバーグプロ2024のゲストポーズではコンディションがイマイチと指摘されていましたが、見事1週間で合わせてきました。
ニックは上半身よりも下半身の絞りが良く見える体をしているため、下半身(血管や筋肉のセパレーション)を見ると相当な絞りを持ってきているように思いました。
今大会ではダントツの優勝だったと思いますが、個人的にはオリンピアで現チャンピオンのデレクに勝つ未来は見えない結果になりました。
以前から指摘されていた腹部のバブルガットが、腹筋のコントロールでは隠し切れないほどでした。今大会ではバブルガットを持つニックを批判する声も多く、興行としての色の強いボディビルで優勝するには世間の声が大事になってきます。
準優勝:Martin Fitzwater (United States)
準優勝はアメリカ出身の「Martin Fitzwater 」でした。この選手も前週のピッツバーグプロでニックとゲストポーズをとっており、その時から大きくコンディションを合わせてきました。
上半身のコンディションでは、筋肉のストリエーションがニックよりも現れていた点で優れていましたが、全体的なサイズでは太刀打ちできない結果となりました。
ウエストが細くニックとは対極のボディタイプをしている選手なので審査が難しかったと思いますが、今回はニックウォーカーという名前が持つブランド力とサイズでねじ伏せられた形となりました。
3位:Tonio Burton (United States)
3位はアメリカ出身の「Tonio Burton」です。彼は昨年のニューヨークプロで優勝しており、ディフェンディングチャンピオンになれるかどうか注目されていました。
若干腹部の膨張が見られたのが気になりましたが、サイズとコンディション面ではさすがという一言です。
1つ気になったのは左右のバランスが悪く見えてしまっていた点です。特にフロントラットスプレッドをとったときの広背筋の左右の大きさや、フロントリラックス時の肩の形に違和感を覚える程度の差はありました。
筋肉の左右差は遺伝によるものが大きいため急に改善するのは難しいかもしれませんが、より世界のトップに立つためには気を付けなくてはならない点です。
ニューヨークプロ2024結果【クラシックフィジーク】
ここからはクラシックフィジークの結果と講評を解説していきます。
優勝:Matthew Greggo (United States)
クラシックフィジークで優勝したのはアメリカ出身の「Matthew Greggo」でした。
彼も先週のピッツバーグプロ2024のゲストポーズに出場しており、その時は親友のデレクランスフォードと一緒にポージングをとっており仲の良さが伝わってきました。
個人的には準優勝のエリックとはかなり接戦だったと思います。優勝したマットはクラシックというよりもボディビルに近いポージングやボディタイプをしており、とても面白いTOP2争いでした。
マットもエリックも腕が長い選手なのでフロントダブルバイの迫力はオリンピアトップ選手と比べると見劣りしてしまいましたが、アブドミナル&サイのマットのシルエットはとても美しかったです。
準優勝:Eric Lisboa (Brazil)
準優勝はブラジル出身の「Eric Lisboa」でした。ピッツバーグプロ2024でトップ2争いをした2人がニューヨークプロでも同じくトップ2となりました。
マットと比べるとエリックはクラシック選手の色が強く、ポージングにも表れていました。(最後のfavourite classic poseでエリックはワンアームフレックスというザ・クラシックなポージングを選んでいました。)
ピッツバーグプロではエリックが優勝したため、2連覇とはなりませんでしたが、これは審査員の好みによる部分は大きいと思います。
3位:Dmytro Krazhan (United States)
クラシックフィジーク3位はアメリカ出身の「Dmytro Krazhan」でした。
この選手もピッツバーグプロ2024でTOP4に入っており、実力のある選手です。クラシックの色が強い選手ですが、ウエストが決して細くはない選手なので、もっと広背筋をつけることでウエストの太さを目立たなくさせる必要はありそうです。
ニューヨークプロ2024結果【メンズフィジーク】
ここからはメンズフィジークの結果と講評を解説していきます。
優勝:Ali Bilal (Afghanistan)
メンズフィジークで優勝したのはアフガニスタン出身の「Ali Bilal」でした。前週のピッツバーグプロでも優勝しており、2連覇がかかったコンテストになりました。
準優勝のヴィトーとはかなり接戦だったと思いますが、差をつけたのはコンディションだったはずです。もともと腹筋が強くコンディションが良く見えやすいことに加え、絞りも今大会に合わせてきていたので大会No.1でした。
昨年のニューヨークプロ2023ではライアンテリーが優勝しており、オリンピア2023では優勝を果たしています。今年はアリビラルの時代が来るかもしれない…と個人的には思っています。今年のオリンピアでトップ6に入ってきたらかなり面白いですね。
準優勝:Vitor Chaves (Brazil)
準優勝はブラジル出身の「Vitor Chaves」でした。ヴィトーもかなりコンディションが良く、TOP2の比較審査では優劣をつけるのが難しいほど接戦だったと思います。
ヴィトーは細いウエストと広い肩幅はもちろん、腹筋も強く、シルエットが今のメンズフィジークが求めているものに合致している選手です。
ボディタイプが似ているDiogo Montenegro(ディオゴ・モンテネグロ)がアーノルドクラシック2024で優勝したこともあり、今後も世界トップ争いに食い込んできそうです。
3位:Edvan Palmeira (Brazil)
3位はブラジル出身の「Edvan Palmeira」でした。TOP2と比べると若干コンディションをさらに上げられる余地はあったのではないかと思いました。
ミスターオリンピア2023ではセカンドコールに入っており、実力は折り紙つきです。以前はフロントに比べると弱点だったバックポーズがかなり改善されていたのに驚きました。
以前はバックから見た肩の張り出しが弱く腕と広背筋に埋もれてしまっていましたが、写真からもわかる通り、しっかりとセパレートした独立した筋肉に成長していました。
【まとめ】ニューヨークプロ2024は各カテゴリーハイレベルな戦いに!
今回はニューヨークプロ2024のボディビル・クラシックフィジーク・メンズフィジークの結果を公表付きで解説してきました。特に接戦だったメンズフィジークは非常にハイレベルな戦いとなり、今年のオリンピアでの期待度が高まる結果となりました。引き続き海外ボディビルコンテストの情報を発信していきます!
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